矯正歯科
歯を失う原因について
歯を失う主な原因は、むし歯、歯周病、噛み合わせのズレ、外傷です。むし歯は細菌が出す「酸」が歯を溶かす病気で、進行すると歯を失うことにつながります。歯周病は進行すると歯を支える顎の骨が溶けてしまい、それが悪化すると支えを失った歯が抜けてしまいます。
噛み合わせのズレも歯を失う原因です。噛み合わせが悪いと、一部の歯に大きな負担がかかるため、負担がかかっている歯の寿命を縮めてしまいます。そういった部分は歯周病になりやすく、また歯並びが悪いと汚れが溜まりやすいため、むし歯のリスクが高まります。さらに、歯ぎしりや食いしばり、TCH(歯の接触癖)は歯がすり減ったり、歯や顎の骨、顎関節に大きな負担がかかるなど、噛み合わせのバランスが崩れて歯を失うリスクが高まります。
噛み合わせを整えることが重要
矯正治療をしにご来院するほとんどの方が、歯並びを整えて見た目をきれいにしたいとご相談にいらっしゃいます。確かに、矯正治療を行えばきれいな歯並びを手に入れることができますが、実はそれが治療の目的ではありません。一番大切なのは「噛み合わせを整える」ことです。
永久歯は親知らずを除いて28本ありますが、すべての歯で全体のバランスを取っています。その一本一本の歯が正しく機能するために矯正治療によって歯並びを整えます。
機能面への考慮
歯並びや噛み合わせが乱れていると汚れが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。噛み合わせのズレは左右の顎のバランスが崩れ、頭痛や肩こりの原因となることもあります。さらに、噛み合わせのズレは全身のバランスにも影響するため、腰痛にもつながります。「矯正治療」はお口の見た目をきれいにするために行うのではなく、「全身の健康」を維持するために行います。
成人矯正
マウスピース矯正
ワイヤーを使用せず、透明なマウスピースを使用して矯正を行うため目立ちません。食事の際には簡単に取り外しが可能です。
裏側矯正(舌側矯正)
矯正装置を歯の裏側に装着して矯正治療を行います。表から装置が見えないため、見た目では矯正していることがわかりません。
透明なブラケット装置
一般的な矯正と装置の形状は同じですが、ワイヤーが白、ブラケットが透明なため、一般的な矯正装置より目立ちません。
小児矯正・咬合誘導
お子様にこのようなクセはありませんか?
お子様に以下のような癖がある場合、歯並びのズレの原因になる可能性があります。思い当たるものがあれば、できるだけ早期に癖を直してあげましょう。
頬杖
下顎に頭の重みがかかるため、歯並びや噛み合わせのズレ、骨格のゆがみを引き起こす場合があります。
指しゃぶり
前歯を裏側から指で押し出すことになるため、出っ歯の原因になる場合があります。
口呼吸
お口まわりの筋肉が動きにくくなることから、歯並びを乱すことがあります。また、唾液の分泌量が減ることでむし歯になりやすくなります。
丸飲み
しっかりと噛まずに飲み込むことで、顎が正しく育たない場合があります。
爪を噛む
下顎に頭の重みがかかるため、歯並びや噛み合わせのズレ、骨格のゆがみを引き起こす場合があります。
タオルを噛む
出っ歯や反対咬合(上下の噛み合わせのズレ)を引き起こす場合があります。
唇を噛む
下唇を噛むと出っ歯に、上唇を噛むと反対咬合になりやすくなります。
舌壁(ぜつへき)
舌で前歯を押したり、舌を前に出すなどの癖は、歯並びを乱す場合があります。
お子様の矯正時期
第一期矯正治療と第二期矯正治療
お子様の出っ歯や反対咬合など、歯並びや噛み合わせのことで少しでも気になる点がありましたら、お気軽に当院にご相談ください。まずは、お口の状態を確認させていただき、お子様に最適な治療プランや治療開始の時期などについて分かりやすくご説明させていただきます。
第一期矯正治療(5歳~12歳頃)
5歳~12歳頃までの成長期のお子様に対して行う治療で、骨格的な問題をコントロールする治療が主になります。骨格的な不具合や、改善した方が良いと思われる歯並びを、歯列の幅を広げることや、顎の成長を促進(または制御)するなど、成長期だからこそ可能な方法で治療していきます。取り外しが可能な装置を使うことが多く、治療の際の痛みもほとんどありません。
第二期矯正治療(12歳頃~成人)
第二期治療は、思春期・成長期を迎えたお子様や成人の方が対象となります。一本の歯に一つずつ装置を付け、ワイヤーを通して、すべての歯の位置を細かく調整することで、しっかりと噛めて美しい歯並びと口元にしていく最終的な矯正治療です。特に年齢制限はありませんが、歯や体への負担が少ない時期に治療を開始することをおすすめします。
MFT(口腔筋機能療法)
MFT(口腔筋機能療法)は、歯並びに影響を及ぼす悪習慣を改善するためのトレーニングです。つまり、お口周りの筋肉を鍛えることで、正しく機能させるための訓練法です。
MFTでは、舌や口唇の筋力・噛むときに使う筋肉のトレーニング、舌と口唇を正しい位置に習慣化させるトレーニング、正しく噛んで飲み込む練習などを行います。特に、本来あるべき位置への正しい舌の置き方を覚えることは、舌癖をなくすために重要なトレーニングです。
MFTの効果として、軽度の不正咬合を改善したり、矯正治療が終了した後の後戻りを防ぐことができます。また、舌が上顎についている状態で、口唇は楽に閉じることができるようになり、正しい嚥下と発音ができるようになることを目指します。